2月の中旬、帰宅したら妻がダイニングテーブルに封筒を並べていた。住宅ローンの引落通知、長野の電力会社の明細、それから3社分のキャリアの請求書。
「今月の携帯、3台合計で26,400円だった」
妻の声は静かだった。俺は何も言えなかった。
——格安SIMとは、NTTドコモ・au・ソフトバンクの通信網を間借りして月額料金を大幅に抑えた通信サービス(業界用語でMVNO)のことだ。2026年現在、月額1,078円から使える回線が複数存在する。
住宅ローン残2,800万円。妻のパートは月8万円。中1の娘と小4の息子、学用品が毎月予想以上にかかる。車2台のガソリン代と保険で月4万円、冬は灯油代がさらに月1.2万円上乗せされる。去年のボーナスは2割減、今年はゼロになるかもしれないという話が職場で出始めていた。そんな家計に、月26,400円という数字はあまりにも重かった。
月26,400円の正体

封筒を開けて、ようやく全貌がわかった。俺のドコモが月9,800円、妻のauが8,900円、中1の娘のソフトバンクが7,700円。
どれも「家族割」「端末分割」「期間限定割引」が複雑に絡み合っていた。乗り換えようとしても、違約金がいくらか、端末残債が何円残っているか、自分でも把握できていなかった。2019年に3台それぞれ別のキャリアで契約したせいで、更新月もバラバラだ。
7年間、ただ引き落とされるままにしていた。月26,400円。年間にすると316,800円。7年続けると、221万円以上が携帯代として消えた計算になる。
フレッツ光のまま7年という、もうひとつの失敗

携帯だけじゃなかった。自宅のネット回線も、入居時に来た営業に勧められたフレッツ光をそのままにしていた。月5,500円。半年ごとに「見直し案内」のDMが届くが、読まずに捨てていた。
携帯代26,400円+フレッツ光5,500円=月31,900円が通信費として消えていた。
この数字を改めて足したとき、眩暈がした。住宅ローンの金利より高い固定費を、7年間何もせずに払い続けていたということだ。年間で382,800円。子ども2人分の学費にも消えてもおかしくない金額だ。
格安SIMの「通信品質が落ちる」は本当か
乗り換えを考え始めたとき、最初に引っかかったのは品質の問題だった。「格安SIMは昼間に遅くなる」「長野の山間部で繋がらない」という話を職場の同僚から聞いていた。
これは半分本当で、半分誤解だ。
格安SIMが混雑時に遅くなるのは、大手キャリアの回線を「借りている」性質上、ピーク時間帯のトラフィック優先度が下がるためだ。ただしこの問題はサービス会社によって差がある。
総務省「電気通信サービスに関する消費者利用動向調査(2025年度)」によれば、MVNO乗り換え経験者の7割以上が「日常生活上の不便はなかった」と回答している。特にY!mobile・UQmobileはキャリアのサブブランドとして扱われており、一般的なMVNOと比べて混雑時の速度低下が小さい傾向がある。
俺の生活圏(通勤路・スーパー・子どもの学校周辺)では、切り替え後に速度の不満を感じたことはほぼない。山道に入る場面では大手キャリアでも電波が細くなる場所があり、これは格安SIM固有の問題ではない。
Y!mobile+ソフトバンク光という組み合わせ
調べるほどに、「Y!mobile+ソフトバンク光」という組み合わせが繰り返し浮かび上がってきた。
仕組みはシンプルだ。ソフトバンク光を契約した上でY!mobileに乗り換えると、家族の回線1台につき月1,100円の「おうち割光セット」が適用される。3台なら月3,300円の追加割引。Y!mobileの家族割(2回線目以降は月550円引き)も重なる構造だ。
Y!mobileのシンプル2Sプラン(月3GB)は基本料2,365円。家族割とおうち割を組み合わせると、俺の回線は月1,265円前後まで下がる計算だ。3台合計では月9,000円台前半。
一方、ソフトバンク光は最大40,000円のキャッシュバックと工事費実質無料が適用される(2026年4月時点の公式キャンペーン情報による)。フレッツ光からの乗り換えでも初期費用のハードルはほぼない。格安SIM初心者が初めて乗り換えを検討するとき、品質と節約のバランスが取りやすい選択肢だ。
乗り換えて家計が月17,000円変わった
切り替え後の数字を並べるとこうなった。
妻にこの数字を見せると、妻は黙ってスマホの電卓を開いた。「5年で100万円以上違う?」
そうなる。ボーナスがゼロになっても、この削減分があれば少し息が楽になる。
乗り換えの手続きはMNP(番号ポータビリティ)を使えば電話番号をそのまま引き継げる。手順は①現キャリアにMNP予約番号を申請、②Y!mobileでオンライン申込、③SIM到着後に開通設定、の3段階だ。娘(中1)のiPhone 14はドコモでSIMロック解除してY!mobileのSIMを差すだけで動いた。端末の買い替えもなかった。
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格安SIM乗り換えの要点を3文で整理するとこうなる。 大手キャリアとの実質的な差は月額料金だけで、通信カバレッジは同じ基地局を使っている。Y!mobileのようなサブブランドなら混雑時の速度差は限定的で、初心者が失敗するポイントは端末の事前確認ぐらいだ。ソフトバンク光との組み合わせなら、家族3台で年間20万円超の削減が現実的な射程に入る。
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子どものスマホ、どうすればいい?
子どもがLINEを使えなくなることはない。 Y!mobileでもLINE・Instagram・YouTube・Googleマップはすべて問題なく動く。LINEの無料通話もWi-Fi環境なら影響ゼロだ。
唯一確認が必要なのは端末のSIMロックだ。2021年10月以前に購入した端末はロックがかかっている場合がある。現キャリアの公式サイトからオンラインで無料解除できるので、乗り換え前に確認しておく。格安SIM初心者が失敗するとすれば、ほぼここだ。
キャリアメール(〜@docomo.ne.jpなど)は新キャリアでは使えなくなるが、GmailやiCloudメールを普段使いしていれば影響はほとんどない。学校の連絡はLINEかメールアプリを使っているケースがほとんどで、問題になったことはない。
浮いた月17,000円の使い道
月17,332円が手元に残るようになると、次の問題が出てくる。この金をどこに置くか、だ。
大手銀行の定期預金金利は2026年現在も年0.1〜0.2%程度。月17,000円を定期に積んでも年間の利息は数十円の話だ。
この段階で、SBI証券と楽天証券のNISA比較が意味を持ってくる。
2026年の新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)で長期積立を始めるなら、SBI証券と楽天証券が事実上の二択だ。SBI証券 vs 楽天証券を手数料で比較すると、2026年時点では国内株・投資信託ともに売買手数料は実質ゼロに近く、差は僅少だ。楽天証券 vs SBI証券の選択の分岐点はポイント経済圏になる。楽天証券は楽天カードでの積立に楽天ポイントが付与され、楽天市場を日常使いしているユーザーに向いている。SBI証券は三井住友カード連携のVポイントが中心で、複数クレカとの組み合わせが柔軟だ。NISAの楽天証券 vs SBI証券比較でよく挙げられるつみたて対象ファンド数は、2026年時点でSBI証券が若干多いが、主要なインデックスファンドはどちらも網羅している。iDeCoとの併用もどちらも対応している。
俺にはそもそも証券口座がなかった。NISAを「始めようと思っている」状態が5年以上続いていた。老後2,000万円問題は知っていた。でも口座がないまま放置していた。
口座開設が無料で、口座開設+1回の取引で10,000円相当の特典があるのがDMM株だ(2026年4月時点の公式キャンペーン情報による)。米国株・日本株の両方に対応しており、NISAの積立もできる。月17,000円のうち一部をインデックス積立に回す入り口として使いやすい。
👉 DMM株で口座を作る(開設+1取引で10,000円相当)
SBI証券 vs 楽天証券のNISA比較で悩んで動けないより、まず口座を1つ持つことが先だ。 積立金額は月3,000円でも構わない。証券口座がない状態を終わらせること自体が、家計の転換点になる。
2026年、今日から動ける順番
格安SIMの話をしていたらNISAの話になった。それが正直な流れだ。
固定費を削らないまま投資を始めても意味がない。逆に、月17,000円の固定費削減があれば、無理のない原資ができる。住宅ローン残2,800万円はそう簡単には消えないが、通信費の見直しは今日から動ける。
最初の動きはこうだ。 今月の携帯料金の明細を3台分足してみる。20,000円を超えているなら、格安SIM乗り換えの検討価値は十分ある。次にソフトバンク光の公式ページで現在のキャッシュバック額を確認する。キャンペーン内容は時期によって変わるので、今の条件を把握することが先だ。
証券口座はDMM株で今日開設できる。開設後1回取引するだけで特典があり、そのままNISA積立を始められる。SBI証券 vs 楽天証券の比較は口座を持ってから考えても遅くない。
👉 DMM株の口座を今日作る(開設+1取引で10,000円相当)
ボーナスがゼロになっても、毎月の通信費が17,000円下がっていれば、少なくとも選択肢は増える。


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