11月の第2土曜日、朝8時半。長野の自宅ガレージでポリタンクを抱えながら、頭の中で足し算をしていた。ガソリン代と保険で月4万。灯油が今月から月1.2万プラスされる。妻のパートが月8万、自分の手取りは残業込みで28万だが、ボーナスは去年から2割減り、同僚は「来年はゼロかもしれない」と言っていた。住宅ローンの残りが2800万。中1の長男と小4の娘の塾代が月合計3.2万。
電卓を持ってこなくても、数字はだいたい合ってしまった。そして「光回線」という文字が、頭の隅に引っかかった。
— 光回線の「違約金」とは、契約中の光回線を解約する際に発生する解除料のことを指す。フレッツ光など多くの光回線は2〜3年の最低利用期間を設けており、期間内の解約で10,000〜20,000円程度の費用が発生する。2026年現在、乗り換え先の会社がこの違約金を負担するキャンペーンを行っているケースが多く、「違約金が怖い」という理由での乗り換え断念は事実上なくなっている。
フレッツ光を8年変えなかった、本当の代償

うちの光回線は引越してからずっとフレッツ光だ。月額5,720円。「NTTだから安心」という理由だけで8年間、更新し続けた。乗り換えを考えたのは2回はある。でも「違約金がかかるんじゃないか」「手続きが面倒そう」と思い、両回とも2週間で忘れた。
妻に「今月の固定費を全部並べてほしい」と言われた夜、エクセルに書き出した。
- 光回線(フレッツ光):5,720円
- 自分の携帯(ドコモ):7,480円
- 妻の携帯(ドコモ):6,980円
- 長男の携帯(ドコモ):4,480円
- 通信費合計:24,660円/月、年間295,920円
車2台のガソリン代・保険が年間48万。移動と通信だけで年間77万を超える。住宅ローンを組んだ15年前、こんな計算はしていなかった。
総務省「令和5年度 情報通信白書」によれば、日本の世帯あたり通信費の月平均は約14,000円程度とされている。うちはその倍近い。
それよりも問題は、8年間のフレッツ光の支払い総額が約549,120円だということだ。
ソフトバンク光に最初の年に乗り換えていたと仮定すると——月額差額を約1,540円として計算すると、8年間の差額は約147,840円。違約金を最大10,000円払ったとしても、13万円以上を節約できていた計算になる。
先送りにした8年間で、静かに14万円が消えていた。
「違約金が怖い」は2026年には通用しない理由

違約金負担キャンペーンは、今や乗り換えの標準仕様になっている。
ソフトバンク光の場合(2026年4月時点の公式情報による):
- 他社から乗り換え時の違約金を最大10,000円まで負担
- キャッシュバック最大40,000円
- 工事費:実質無料
つまり「違約金10,000円の壁」は、キャッシュバックで完全にカバーされる。乗り換えの初期費用がゼロどころか、プラスになる設計だ。
長男が「Zoom授業で家族全員つなぐと重い」と言い出したのが11月。その週末に動いた。
違約金を確認する手順(フレッツ光から乗り換える場合)
実際にやったことを順に書く。
1. フレッツ光の「マイページ」にログインし、契約プランと「最低利用期間の終了日」を確認する
2. 違約金の有無・金額を確認する(更新月であれば0円になる)
3. ソフトバンク光の公式ページで、違約金負担キャンペーンの上限額と期間を確認する
4. 申込後、工事日程の調整(最短2〜3週間が目安)
uちの場合、確認したら翌月が更新月だった。そのまま申し込んだので違約金はゼロ。タイミングひとつで1万円が浮く。マイページを開くだけで分かることなのに、8年間確認しなかった。
更新月を過ぎていても、違約金負担キャンペーン(最大10,000円)でほぼカバーできる。「今が更新月じゃないから待つ」という判断は、多くの場合損になる。
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【ここまでの要点】
- フレッツ光を8年使い続けた代償は概算14万8,000円
- ソフトバンク光への乗り換えで違約金負担キャンペーン(最大10,000円)+キャッシュバック最大40,000円が適用される(2026年4月時点)
- 更新月でなくてもキャンペーンでほぼカバーできる
- キャッシュバックは「開通後6ヶ月後」が一般的。申込時にメールで特典明細を保存・口座登録を忘れずに行うこと
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So-net光(auひかり)という選択肢
地域やマンション構造によっては、ソフトバンク光の工事が入りにくい場合もある。そういうときの代替案として So-net光(auひかり)は確認しておく価値がある。
確定率100% という数字が重要だ。光回線は申込後に「建物の構造上、工事できません」となるケースがある(これが確定率を下げる主因)。So-net光(auひかり)は回線安定性と確定率の高さが特徴で、申込後のキャンセルが少ない安定案件とされている。
読者の声:キャッシュバックは本当に振り込まれるのか?
振り込まれる。ただし申込経路と特典条件の確認が必須だ。
ソフトバンク光のキャッシュバック(最大40,000円)は、申込経路によって金額・振込条件が異なる。公式代理店「アウンカンパニー」経由の場合、特典額が高く、メールで特典明細が届くため追跡しやすい。「申請し忘れた」「振込先口座を登録していなかった」という失敗は、申込直後にメール保存と口座登録を済ませ、開通6ヶ月後のカレンダーに「口座確認」と入れておくだけで防げる。
読者の声:速度は本当に変わらないのか?
大きな速度低下は起きない。むしろ改善するケースが多い。
ソフトバンク光は「光コラボ」と呼ばれる形式で、基本的にNTTの物理回線をそのまま使う。速度差はプロバイダーの混雑状況による部分が大きく、フレッツ光から乗り換えた場合に体感が悪化することはほぼない。うちの場合、長男の「Zoom授業で重い」という問題は乗り換え後の最初の週に解消した。
読者の声:光回線と格安SIMはセットで変えるべきか?
セットで試算してから決めることを強く勧める。
ソフトバンク光に乗り換えると、SoftBank・Y!mobileのスマートフォンとのセット割(「おうち割 光セット」)が適用され、1台あたり最大1,100円引きになる。家族3台なら月最大3,300円の追加削減が可能だ。ただし、キャリア変更はMNPの手続きが別途必要になる。うちはまず光回線だけ変えて、携帯は半年後に移行する計画にした。一度に全部変えようとすると頓挫する。
読者の声:NISAやiDeCoより先に固定費を削るべきか?
固定費削減が先だ。順番を間違えると効かない。
SBI証券や楽天証券でNISA積立を月1万円始めることを考えているなら、その前に月の固定費の穴を塞ぐことが先だ。光回線の削減で月1,500円浮けば、年間18,000円が手元に残る。これをそのままNISAの積立原資にできる。iDeCoも同様で、住宅ローンが残2800万ある段階では「毎月の手残りを増やす」ことが投資対効果として最も高い。
SBI証券と楽天証券のNISA比較でどちらが優れているか、という議論をする前に、月の支出を1,500円でも削っておく。それが「2026年の正しい順番」だ。固定費削減で生まれた余剰資金を、証券口座に積み立てる。この流れが最も再現性が高い。
DMM CFDのような手数料0円の投資ツールが気になるなら、それは固定費の見直しが一段落してから検討すれば十分間に合う。
今夜マイページを開くだけでいい
難しい手続きは何もない。
まず、フレッツ光のマイページにログインして更新月を確認する。次に、ソフトバンク光の公式ページで違約金負担キャンペーンと現在のキャッシュバック額を確認する。この2ステップが終われば、乗り換えるかどうかの判断材料は全部揃う。
我が家は15分の作業で、月1,540円の固定費を削った。年間18,480円。ボーナスがゼロになるかもしれない来年を前に、今できることをひとつずつやる。住宅ローンの残りが2800万ある間は、節約できる固定費は全部削る。それだけだ。


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