23時12分、ベッドの上でスマホを握りながら、また同じページを開いていた。「SBI証券 楽天証券 NISA 比較 2026」。画面には証券口座の機能比較表が並んでいる。つみたてNISAの月1万円を、せめて3万に増やせないかと思ったからだ。
でも、スクロールしながら気づいた。俺の問題は、SBI証券か楽天証券かじゃない。
年収430万、残業月30時間のSES企業。手取りは月28万弱。そこから家賃・食費・光熱費・スマホ代を引いたら、NISAに回せるのは月1万が限界だ。老後2000万円問題を知って眠れなかった夜が、もう2回ある。親は60代に入った。自分の老後と、場合によっては親の支援も頭をよぎり始めている。
問題は証券会社選びではなく、25歳のときに転職エージェントを使わなかった、あの判断だ。
— 転職エージェントとは、求人紹介・書類添削・面接対策・給与交渉を無料で代行するキャリア支援サービスを指す。2026年現在、リクルートエージェント・doda・ハタラクティブ・ウズキャリ等が代表的で、企業側が紹介料を負担するため求職者の利用は完全無料だ。
25歳の俺が、転職エージェントを使わなかった理由

当時はリクナビNEXTとindeedを毎晩眺めていた。転職エージェントは「登録したら電話がしつこそう」「スーツで面談しないといけないんでしょ」というイメージがあって、一人でやったほうが気楽だと思っていた。
結果、今のSES企業に入った。年収は290万からスタート。「ITスキルが身につく」と信じて6年いたが、客先常駐のルーティンワークで技術的な深みは出なかった。今年で31歳、年収430万。6年で140万しか上がらなかった。
エージェントを使っていたら、どうなっていたか。
リクルートエージェントを使って転職した同期は、同じSES出身でも25歳のタイミングで事業会社の開発部門に入り、今は年収570万だ。差は6年で140万ではなく、累計で800万以上になる。年100万の差が8年続けば、毎月の積立投資に回せた資金は別次元になる。
転職エージェントを使わなかった判断のコストを、俺は31歳になってようやく計算した。
20代向け転職エージェント比較――何が違うのか

転職エージェントは数十社あるが、20代に合うものとそうでないものがある。判断軸は「第二新卒・未経験OK求人の数」と「担当者が若手の転職を得意としているか」の二点だ。
リクルートエージェントは求人数が業界最大級で総合力は高い。ただし担当者の質にばらつきがあり、若手・未経験の場合は流れ作業になるケースもあるため、初回面談で担当者との相性を見極める必要がある。
dodaは書類添削のフィードバックが丁寧という評判が多い。年収診断ツールで「今の年収が市場と比べてどうか」を数字で把握できる点は、給与交渉の準備として使いやすい。20代後半から30代前半向け。
ハタラクティブは20代・第二新卒に完全特化している。未経験OKの求人が多く、スキルよりポテンシャル採用を重視する企業が集まっている。書類審査なしで面接に進める案件もある。25歳以下で職歴が薄い場合は、ここが最も合う可能性が高い。
ウズキャリは第二新卒・フリーター向けで、入社後の定着率を重視した選考サポートが特徴だ。離職率の高い求人を事前にスクリーニングしているという点では、ブラック企業を避けるフィルターとして機能する。
俺が25歳のときに登録すべきだったのは、ハタラクティブかウズキャリだった。当時の職歴の浅さとスキルの曖昧さを「弱点」として一人で隠しながら応募するより、エージェントがそれを前提として動いてくれるほうが、内定の質と速度は上がる。
転職エージェント選び、ここで一度整理する
20代の転職エージェント選びで最重要なのは、求人数より「自分の状況に合った専門性」だ。
複数登録が基本で、1社だけでは担当者の質に当たり外れがあったときに逃げ場がない。エージェントの並行利用は各社承知しており、禁止されていない。
転職エージェントを使わないことのコストは、年収差として長期で積み上がる。厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2025年)」によると、25〜29歳の男性正社員と非正規・派遣の平均年収差は年間100〜130万円程度あり、この差は年齢を重ねるほど広がる傾向がある。俺の6年間がそれを証明している。
読者の声:複数エージェントに登録すると企業に重複がバレる?
答え:バレない。各エージェントは競合他社に情報を共有しない。
ただし、同じ求人に複数エージェント経由で応募すると、企業側で重複が判明することはある。対策は、各エージェントとの面談時に「どの企業に応募済みか」を共有すること。これで重複応募は防げる。
読者の声:転職エージェントに登録すると「転職を急かされる」と聞いたが?
答え:その通りで、エージェントには成果報酬のインセンティブがある。
入社が決まると企業から紹介料が入る仕組みのため、内定→入社のプロセスを早めたい動機がある。対処法は、「3ヶ月かけて慎重に選ぶ」と最初に明示すること。それでも急かしてくるなら担当者変更を申し出る。担当変更はほぼどのエージェントでも対応している。
読者の声:20代の転職で年収は一時的に下がる?
答え:一時的に下がることはあるが、3〜5年後の差は大きい。
SES・派遣・ルーティン業務から事業会社・正社員への転換は、最初の1〜2年は年収ほぼ横ばいでも、3〜5年後に差が開く。俺の同期のケースがそれで、25歳の転職当初は年収がほぼ変わらなかったが、31歳時点で140万の差がついた。6年で140万の差は、月換算で約1.9万円。この差が毎月の投資余力に直結する。
転職で年収が上がったら、次にやること
転職が決まり、年収が年50〜80万上がったとする。その差額を何もしなければ生活費に消える。俺の現状がそれだ。
まず固定費を削る。光回線・携帯・電力がセットになっていない場合、乗り換えで月5,000〜8,000円は変わる。ソフトバンク光はキャッシュバック最大40,000円・工事費実質無料で、乗り換えの初期費用負担が実質ゼロになる(2026年4月時点の公式情報による)。SES・在宅業務で回線速度が求められる場合は、固定費見直しの最初の一手として検討する価値がある。
固定費を削ったら、その差額を証券口座に回す。ここで「SBI証券か楽天証券か」という問いが来る。
SBI証券 vs 楽天証券 NISA比較(2026年)の記事は無数にあるが、NISAの非課税枠(年間360万円)・つみたて投資枠(年120万円)は両社で同じだ。差が出るのは:
どちらを選ぶかは、使っているクレジットカードと経済圏次第というのが実態だ。楽天ユーザーなら楽天証券、三井住友カードを持っているならSBI証券、という大雑把な判断基準になる。
俺が今注目しているのはDMM株だ。新規口座開設+1回の取引で最大10,000円相当の特典がある(2026年4月時点の公式情報による)。米国株・日本株の両方に対応し、NISAにも対応している。SBI証券か楽天証券かで比較表を眺めて3ヶ月悩み続けるより、DMM株で口座を開いて1回取引して特典を受け取ってから次を考えるほうが、複利的に早い。
NISAでの積立が軌道に乗ったら、次のステップとして差金決済取引(CFD)を視野に入れる人もいる。DMM CFDは全銘柄の取引手数料が0円で、入金するだけで報酬が受け取れるキャンペーンがある(2026年4月時点)。個別株・FXはまだ未着手だが、将来の選択肢として把握しておく価値はある。
31歳の俺が、今夜決めたこと
老後2000万円問題を知って眠れなかったのは、「大変だ」と思ったからではない。年収430万・NISA月1万円では、2000万に届く計算が全く成り立たないと気づいたからだ。
転職エージェントを25歳で使わなかった6年は取り戻せない。でも31歳はまだ動ける。転職で年収を上げることと、固定費を削って証券口座を動かすことを、今月から並行させる。
20代の読者に伝えたいのは一つだ:転職エージェントへの登録も、証券口座の開設も、どちらも「今日できる5分の行動」だ。比較表を3ヶ月眺め続けた俺の6年間と、エージェントを使って動いた同期の6年間の差が、今の年収差140万になっている。転職エージェントはまずハタラクティブかdodaのどちらかに今夜登録する。証券口座はDMM株から開く。どちらを先にやるかより、どちらもやることが重要だ。
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