夜10時半。コールセンターのシフトを終えて大阪市住吉区のマンションに帰ると、リビングのソファに黄色いランドセルが転がっていた。6歳の莉子はもう寝ている。
キッチンの電気をつける前にスマホで口座残高を確認した。217,400円。月末まで18日ある。
— 転職エージェントとは、求職者と企業の間に立ち、非公開求人の紹介・書類添削・面接対策を無料で行うキャリア仲介サービスを指す。求職者側への費用請求はなく、採用が決まった企業から報酬を受け取るビジネスモデルだ。
離婚して3年。元夫との調停で養育費は月2万と決まっているが、今月もまだ振り込まれていない。督促のLINEを送るたびに胃が重くなる。この夜、私は「転職エージェント 30代 女性」と初めて検索した。
パート+副業でも毎月ギリギリな理由

スーパーのパートは9時から17時、手取り21万。週2回の夜コールセンター(19〜22時)で月2万弱を追加している。それでも毎月ギリギリなのは、出費を書き出してみると一目瞭然だ。
家賃7.2万(大阪市住吉区2LDK)、光熱費1.4万、食費3.5万、学童保育費1.5万、スマホ代0.78万(大手キャリア)、日用品・医療費・学用品1.5万——この時点でもう15.88万が消える。莉子の体育着のゼッケン縫い付けでクリーニングに500円払ったのも先月だ。そういう細かい出費が毎月想像以上にある。
コールセンターを週3に増やすことは考えた。でも莉子が一人で夜を過ごす時間がこれ以上増えるのは嫌だった。転職しかない、と思ったのはこのときだ。
転職エージェントに最初に電話した日

リクルートエージェントに登録した翌日、午前9時32分に電話が来た。スーパーのシフト開始7分前だった。出られなかった。折り返したら「担当が変わりました」と言われ、また最初から自己紹介することになった。
次に登録したdodaは、登録フォームの「希望連絡時間」欄に「平日20時以降・土曜午前」と書いたら、担当者から「ご都合に合わせます」という返信が来た。面談は土曜朝10時。莉子を元夫の実家に2時間預けて臨んだ。
マイナビエージェントも登録したが、紹介される求人の多くが「フルタイム・即出社可能な方」を前提にしていた。学童の送迎時間を伝えたら「それだと少し難しい求人が多くなりますね」と言われた。正直に言ってくれた点は評価するが、2週間で使うのをやめた。
結局、使い続けたのはdodaの1社だけだった。担当者が変わらず、求人の質も安定していた。
読者の声:34歳・パート・子持ちで正社員になれる?
Q:パート歴3年・シングルマザー・34歳でも転職エージェントを使って正社員になれる?
なれる。ただしエージェントの選び方と、最初の面談で何を伝えるかで結果が大きく変わる。
30代女性の転職で特に重要なのは、子どもの送迎時間・在宅勤務の可否・時短勤務の有無を最初の面談で必ず伝えることだ。これを後から伝えると、担当者が一度作った求人リストを作り直すことになり、信頼関係が崩れる。
厚生労働省「令和6年版 働く女性の実情(2024年)」によれば、30代女性の正社員転職支援実績は年々改善しており、育児中・時短希望でも対応可能な正社員求人は増加傾向にある。転職エージェントを通じた転職では、ハローワーク経由と比較して年収改善率が高いというデータもある。
Q:登録後に毎日電話がくると聞いたが本当?
大手エージェントは登録後24〜48時間以内に電話が来ることが多い。対策は登録フォームの「希望連絡時間」欄を必ず埋めることだ。
「都合のよい時間帯」欄を空白で送ると、平日昼間に電話が来る。パート中や育児中の30代女性には、これが最大のストレスになる。具体的な時間帯(「平日20時以降」「土曜午前中のみ」)を書いた上で、LINEやメールでの連絡を希望する旨を添えると対応が変わる。
固定費を削りながら転職活動の資金を作る
転職活動には想定外の出費がある。私の場合、面接3社で交通費が4,800円、スーツのクリーニングに1,500円、証明写真に900円——合計7,200円が消えた。
同時期に取り組んだのが固定費の見直しだ。スマホを大手キャリアから格安SIMに切り替えて月額7,800円→2,200円に下げた。浮いた5,600円は莉子の文具代と交通費に充てた。
光回線は、引越し後1年で縛りが切れていたのでソフトバンク光に乗り換えた。工事費実質無料、キャッシュバック最大40,000円。 SoftBankユーザーはスマホとのセット割が効くため月額料金もさらに下がる。キャッシュバックは申込みから3〜4ヶ月後に通帳に振り込まれた。転職活動中の予備資金として、そのまま手をつけずに確保した。
転職活動中に光回線を乗り換えておくことで、活動コストの一部を実質的に補填できる。工事費を後回しにしていた私には、「早くやっておけばよかった」手続きのひとつだ。
転職後6ヶ月、安定してから始めたこと
2026年3月、IT系企業のカスタマーサポート(在宅勤務週2日・月給26万・社会保険完備)への転職が決まった。コールセンターの副業は辞めた。莉子を毎晩一人で家に残さなくていい。
ここが記事全体の核心になる。転職によって月収を上げ、副業を辞め、余剰時間と収入が生まれた——この「安定後の最初の一手」が、その後の資産形成の速度を決める。 私の場合、転職成功の翌月から月5,000円の積立を始めた。NISAの口座選びでSBI証券と楽天証券を比較したが、最終的に選んだのはDMM株だった。その理由を書く。
SBI証券・楽天証券を比較して、私がDMM株を選んだ理由
2026年現在、NISAの口座選びで最もよく検索されているのが「SBI証券 vs 楽天証券」の比較だ。実際に両方の口座開設フォームを触ってみて、整理した結果がこれだ。
SBI証券のNISA:三井住友カードとの積立ポイント還元が強い。スクリーニング機能が豊富で、ある程度自分で銘柄を選びたい人向け。情報量が多く、初回は画面に慣れるまで少し時間がかかる。
楽天証券のNISA:楽天カード・楽天銀行との連携でポイント還元が強い。楽天経済圏をすでに使っている人には相性がいい。楽天ポイントで投資信託が買えるのは実用的で、ポイントを「貯めて使う」習慣がある人には自然に溶け込む。
SBI証券と楽天証券の2026年NISA比較では、楽天経済圏ユーザーは楽天証券、それ以外はSBI証券が有利という評価が多い。 ただし私のように「まず1回買ってみる体験」を最短で得たい場合は、どちらも口座開設にマイナンバー送付や審査待ちで2週間近くかかることが障壁になった。
DMM株は国内株・米国株の取引手数料が業界最低水準。UIがシンプルで1株から気軽に始められる。新規口座開設+1回取引で10,000円相当の報酬がある。 莉子の学費積立として日本株を1株から買い始め、「投資する体験」を先に得た。SBI証券・楽天証券とのNISA比較は、積立に慣れた後で改めてやればいい。
読者の声:転職とNISA、どっちを先にやるべき?
Q:転職活動中にNISAや投資を始めるのはあり?
なし。転職を先に終わらせる。NISAは安定収入ができてから始める。
転職活動中は予期しない出費が発生する。交通費・スーツ・書類代だけでなく、内定後に入社日まで収入が途切れるリスクもある。この状態で投資を始めると、急な出費のたびに売却せざるを得なくなり、「投資=損をするもの」という誤った体験が残る。
私は転職成功翌月から月5,000円でDMM株をスタートした。半年後にレバレッジ取引ができるDMM CFDも試してみたが、リスク管理が難しく感じたため今は現物株のみで継続している。DMM CFDは取引手数料0円で始められるため、CFD取引に興味のある人は公式サイトで仕組みを確認してから判断してほしい。
Q:転職エージェントは何社登録すればいい?
最低2社、最大3社が現実的だ。 1社だと求人の幅が狭く、担当者の質を比較できない。4社以上になると連絡管理が煩雑で、どれも中途半端になる。大手総合型1社(doda・リクルートエージェント)+女性特化または地域特化1社という組み合わせが、私の8ヶ月の結論だ。
2026年3月、莉子が小1の春に私が決めたこと
転職で手取りが26万になり、コールセンター副業を辞め、莉子との夜の時間が戻ってきた。固定費はソフトバンク光への乗り換えで月4,500円削減。DMM株での積立は月5,000円から始めて、現在は8,000円に増やした。SBI証券と楽天証券へのNISA移行も来年には検討している。
転職エージェントを使う前の私は、「34歳・子持ち・パートでは無理かもしれない」という根拠のない壁を自分の前に立てていた。実際に動いてみると、壁は予想より低かった。
転職エージェントへの登録は無料で5分もあれば終わる。まずdodaかリクルートエージェントの登録フォームを開いて、「希望連絡時間」欄に自分の都合のいい時間を書く——それだけ先にやる。 求人を見る前にその1行を書いておくだけで、最初の電話対応のストレスが大きく変わる。
収入が安定したら、光回線の乗り換えとNISA口座の開設を同時に動かしてほしい。どちらも申込みは5分で完結する。元夫の養育費はあてにしない。自分で積み上げる。


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