給料日の2日前、夜11時。埼玉の6畳ワンルームで財布の中を確認したら、2,800円だった。
スマホに届いていた通知は今月のキャリア請求。6,200円。手取り18.2万から家賃6.8万を引いた残り11.4万で、食費・光熱費・通信費・交通費すべてを賄う生活が3年続いている。この構造を変えないと、毎月給料日の2日前に財布が空になることも変わらない。
格安SIMに乗り換えれば月1,980円。差額4,220円×12ヶ月=年間50,640円。貯金12万に毎年5万積み増せると思ったら、少しだけ気持ちが前向きになった。
— 格安SIM(MVNO)とは、ドコモ・au・ソフトバンクなど大手キャリアの回線を借りて、より低価格で通信サービスを提供する事業者のこと。総務省「令和6年版 情報通信白書」では、格安SIM・格安スマホを含むMVNO市場の契約数は国内で拡大傾向にあるとされている。
ただ、その乗り換えは3ヶ月で後悔に変わった。
昼休みのSlackが遅れて、上司に名指しで呼ばれた午後

乗り換えた翌月から、会社の昼休みにスマホがまともに動かなくなった。
YouTubeは止まる。LINEの画像が読み込まない。Googleマップで近くのコンビニを検索すると、地図のピンが表示されるまで30秒かかる。コンビニでおにぎり1個と水を買って席に戻っても、まだ読み込んでいる。
格安SIMの多くは大手キャリアから借りた「余り回線」で動く。ユーザーが集中する昼(12〜13時)と夜(18〜21時)は速度が大きく落ちる仕組みだ。これを知らずに「3GBで十分」と判断して契約したのが間違いの始まりだった。
IT系の子会社でシステム担当をしていると、昼休みでも取引先からのSlack通知に目を向けることがある。ある日、その通知が4分遅延して届いた。返信が遅れた。午後イチで上司に「さっきの件、見てなかった?」と聞かれた。そういう積み重ねが、月1,980円の節約と釣り合うか考えると、もう答えは見えていた。
「月1,980円」が3ヶ月で平均3,240円になった内訳

乗り換え後3ヶ月の請求を並べると、月平均は3,240円だった。計算は単純だ。
- 通話料:22円/30秒。月に25分ほど通話が発生して毎月1,100円前後のプラス
- データ追加:3GBを超えた月に追加1GB×550円を2回購入
- SMS送信料:各種認証コードの受信以外にも発生して月130円前後
「月1,980円」は通話ゼロ・データ3GB以内・SMSほぼなし、という条件でしか成立しない。その前提を自分の生活に当てはめることなく契約したのが失敗だった。
大手キャリアの月6,200円との差額は確かにある。だが通話料込みの実態3,240円で比べると差は2,960円。昼間の速度問題・仕事上のリスク・後述の解約コストを加味すると、単純に「得した」とは言えない。
解約しようとしたら9,800円の違約金が待っていた
3ヶ月目に解約を決意した。公式サイトのFAQを30分探して解約フォームのURLを見つけた。フォームを送信すると「担当者より折り返し確認のご連絡をします」とだけ書いてある。3日後に電話がきた。
「現在のプランには最低利用期間12ヶ月が設定されており、途中解約の場合は違約金が発生します」
9,800円。
契約時の規約に小さく書いてあった。読んでいなかった俺が悪い。ただ「分かりやすく説明されていた」とも言えなかった。
格安SIMで失敗する理由の多くは、表面上の月額料金だけを見て、通話料・速度低下による損失・解約コストを最初に計算していないことだ。
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【2026年 格安SIM選び方の要点】
乗り換えで損をしないための条件は3つ。①昼間の通信速度が確保されているプランか(回線混雑時の速度を公式で確認)、②通話料込みの実質月額で比較しているか、③契約期間・解約条件を事前に読んでいるか。この3つを外すと「月1,980円のはずが3,000円超」になる。
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昼の通信速度、実際どのくらい落ちるのか
回答:事業者と時間帯によって差がある。ただし「落ちない格安SIM」はほぼ存在しないと思った方がいい。
格安SIMはドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線の3系統に大別される。昼間の速度低下は事業者ごとに対応が異なり、IIJmioやmineoなど一部はバースト転送や速度優先プランを用意している。ただしそうしたプランは月2,500〜3,500円台になることが多く、「激安」ではなくなる。
俺のように昼間にスマホをよく使い、仕事上の通知も確認する場合は、格安SIMよりもサブブランド(Y!mobileやUQ mobile)の方が実態に合っているケースがある。
月3,000円削減した後のお金をどこに置くか
回答:放置が一番もったいない。SBI証券か楽天証券か迷い続けて1年、口座を開かないことが最大の損だった。
通信費を月3,000〜4,000円削減できたとして、そのお金を普通預金に置いておくだけでは2026年の物価水準では実質目減りする。
2026年のNISAを始めるなら、よく名前が挙がるのはSBI証券と楽天証券だ。どちらも国内株・米国株の売買手数料ゼロ、つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円(年間合計360万円)という非課税枠は同じ条件で提供されている(2026年4月時点・各社公式)。
SBI証券は取扱銘柄の多さと三井住友カード積立によるVポイント還元が強みで、投資信託のラインナップが豊富。楽天証券は楽天カード積立の楽天ポイント還元と、楽天市場・楽天銀行との連携が利点だ。SBI証券と楽天証券の比較でよく言われる「どちらが得か」は、メインで使っているクレカと生活圏による。
ただ、手取り18万円台で毎月カツカツな状況では、口座開設だけで特典がもらえる証券会社から動き出す判断も十分に合理的だ。DMM株は新規口座開設+1回の取引で最大10,000円相当の特典がある(2026年4月時点・公式)。米国株・日本株の両方に対応し、シンプルなUIで初めてでも操作しやすい。SBI証券か楽天証券か比較して迷い続けて何もしないより、まず口座を開いて積立を始める方がずっと前に進める。
格安SIMで失敗した後、光回線との組み合わせに答えがあった
格安SIMを解約した後、通信費全体を見直した。スマホだけでなく、自宅のNTTフレッツ光(月5,600円)も合わせると、通信費の合計は毎月1万円を超えていた。
ソフトバンク光に乗り換えると、Y!mobileとのセット割(おうち割 光セット)でスマホと光回線を合わせてコストを下げられる。
ソフトバンク光の月額は4,180円〜(2026年4月時点・公式情報)。さらに乗り換えキャンペーンでキャッシュバック最大40,000円・工事費実質無料が適用される(アウンカンパニー経由・2026年4月時点)。フレッツ光の月5,600円と比べると月1,420円の削減に加え、初年度は40,000円のキャッシュバックが実質コストをほぼゼロにする計算になる。
Y!mobileとのセット構成にすると、スマホ+光回線の月合計が6,000〜7,000円台に収まるケースが多い。格安SIMの失敗で学んだことは「スマホ単体で考えない、光回線込みでトータルを下げる」ということだった。
2026年の格安SIM選び、失敗した俺が出す答え
改めて整理する。格安SIMで後悔しないための選び方は順番がある。
ステップ1:直近3ヶ月の通話時間を確認する。月20分以上通話するなら、かけ放題オプション込みの実質月額を先に計算する。かけ放題なしで試算すると必ず数字がズレる。
ステップ2:昼間にスマホをよく使うか確認する。仕事・移動・食事で昼間のデータ通信が多い場合、速度保証のない格安SIMは選択肢を絞る。サブブランドやセット割との組み合わせを先に調べる。
ステップ3:光回線と合わせてトータルコストを計算する。スマホ単体で月500円削減するより、光回線との組み合わせで月2,000円削減する方が現実的なことが多い。
ステップ4:解約条件と最低利用期間を契約前に必ず読む。9,800円の違約金を払って解約した経験は、5分間の事前確認で防げた。
俺のように手取り18.2万・家賃6.8万・貯金12万という状況で月末を乗り越えようとするなら、「月額最安値」だけを追いかけるのは危険だ。通信費の正しい削り方は、自分の使い方を先に把握してから選ぶこと、そして光回線込みでトータルを見ること。その順番さえ守れば、2026年でも月2,000〜3,000円の削減は十分に現実的だ。
まず公式ページで工事費とキャッシュバックの条件を確認してほしい。5分あれば試算できる。


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