3月の終わり、人事の田中さんから「少し時間いいですか」と声をかけられた時、ぼくは38歳だった。
会議室に通されて30分。「来期の体制がまだ流動的で」という一言を聞いた瞬間、派遣3年目としての勘が働いた。これは更新されない、と。
その夜、東京・蒲田のワンルーム(家賃7万2千円)に帰って、スマホで転職アプリを3つダウンロードした。リクナビNEXT、doda、Green。手取り22万、貯金24万。革靴はABCマートで7,800円のもので、スーツはリクルートで買ったやつを5年着回している。SES会社の派遣エンジニアとして3年、一度も正社員になれないまま気づけば38歳になっていた。
そして2週間後、その3つのアプリを一度も開かないままにした。
— エンジニア転職エージェントとは、ITエンジニア・SE・プログラマーの求職者に対し、キャリアカウンセリング・求人紹介・面接対策・企業との条件交渉を無料で代行する人材紹介サービスを指す。
転職アプリを3つ入れて、2週間で全部閉じた理由

アプリを入れた夜は「明日から本気でやる」と思っていた。でも翌朝は起きたら7時45分で、始業は9時。コンビニでコーヒーを買って電車に乗り、仕事をして、19時に退社して、スーパーで半額になった弁当を探して、帰ったら22時。
転職活動に使える体力が、物理的に残っていなかった。
アプリを開いたのは1回だけ。求人検索の画面を眺めて、「未経験可」の案件が多すぎて何を選べばいいかわからなくなって、そのまま閉じた。
転職アプリの問題は「自分で全部やる」構造にある。何百件もの求人から選んで、応募文を書いて、日程調整して、面接対策して、年収交渉まで全部ひとりでやる。体力と判断力がある人間には問題ない。でも疲れ切っている38歳の派遣エンジニアには、そのハードルが高すぎた。
エンジニア特化型エージェントが「一般の転職サービス」と決定的に違うこと

エンジニア転職エージェントは、基本的に何もかもやってくれる。
ぼくが使ってみてわかったのは、担当エージェントが「38歳、SES経験3年、Java/Python、マネジメント経験なし」という状況を聞いて、5分以内に「現実的な選択肢」を整理してくれたことだった。
大手の総合エージェント(リクルートエージェントやdodaなど)は求人数で圧倒的に強い。ただしエンジニア案件の精度が甘い場合がある。「エンジニア経験者歓迎」という求人に面接に行ったら、実態は「Excelが使えれば可」というIT部門の事務職だった、という話はSES界隈では珍しくない。
エンジニア特化型を使うべき理由は一つ。担当者がエンジニアのキャリアを理解しているため、的外れな求人を送ってこない。
レバテックキャリアやマイナビIT AGENTのような特化型は、担当者が技術スタックを把握したうえでマッチングしてくる。「Javaで3年、Python1年ならこのポジションは現実的」という判断が、総合エージェントより格段に速い。加えて、一般求人サイトに出ない非公開求人が全体の30〜50%を占める点も大きい。転職アプリで検索しても出てこない求人が、エージェント経由だけで紹介される。
38歳派遣エンジニアは「正社員になれない人」ではない
少し立ち止まりたい。
38歳、SES、マネジメント経験なし。自分でも転職市場で通用するか自信がなかった。でも厚生労働省の「雇用動向調査(2024年)」によれば、35〜44歳男性の転職入職率は8.2%。10人に1人近くが転職している年齢層だ。
IT業界はさらに特殊で、人材不足が続く。経済産業省の試算では2030年までに最大79万人のIT人材が不足するとされており(2019年公表・現在も概ね同水準)、38歳のエンジニアが「手遅れ」になる市況ではない。
問題は年齢ではなく、「何のエンジニアとして売るか」が言語化できているかどうかだ。Java/Pythonのサーバサイド経験3年、チームアジャイル開発の実績。このスキルセットを整理してくれるのが、転職エージェントの本当の役割だった。
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【中間まとめ】 エンジニア転職エージェントを使うべき理由は3点。①担当者が技術スタックを理解しているため的外れな求人が来ない、②職務経歴書の添削と面接対策を無料で受けられる、③非公開求人(全体の30〜50%)にアクセスできる。転職アプリの「全部ひとりでやる」構造では、疲弊している状態での継続は難しい。エンジニア特化型と大手総合の2社を並行登録するのが、2026年時点での現実的な正解だ。
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読者の声:内定が出るまで実際に何ヶ月かかるのか
回答:平均2〜3ヶ月。登録後すぐ動けるかどうかで変わる。
ぼくの場合、3月末に人事面談があって、4月第1週にエージェント登録、最初の面接が4月第3週、内定が6月初旬だった。約2ヶ月。登録から面接まで1〜2週間、内定まで1〜2ヶ月というのが現実的なラインだ。
早く動きたいなら、エージェント登録と同時に職務経歴書の草稿を持っていくこと。在職中の活動なら、週末に1〜2時間使えれば十分で、日程調整・選考対策のほとんどをエージェントが代行してくれる。
読者の声:dodaやリクルートエージェントだけじゃだめなのか
回答:だめではない。ただし、エンジニア特化型と並行して使うのが正解。
大手2社は求人数と企業信頼度で強い。一方、IT案件の担当者が技術を深く理解しているとは限らない。エンジニア特化型の強みは、スキルセットへの理解と、IT企業との独占求人の豊富さにある。ぼくが最終的に内定を取った企業は、エンジニア特化型エージェントの非公開求人だった。 大手求人サイトには一切出ていなかった。
複数登録は「多い方が良い」ではなく「2〜3社を本気で使う」が正解。5社以上登録すると、エージェントとのやり取りだけで週の体力が尽きる。
転職後に最初にやった2つのこと
7月から新しい職場に移った。年収は派遣時代(手取り22万)から正社員ベースで手取り26万4千円になった。月4万円以上の差だ。
最初にやったのは固定費の見直し。3年間フレッツ光を使い続けていたが、ソフトバンク光に乗り換えた。月額5,800円で、キャッシュバックが最大40,000円、工事費も実質無料だった。(2026年4月時点の公式情報による)
フレッツからの乗り換えは最初に面倒そうと思っていたが、エリア確認から申し込みまで15分で終わった。代理店アウンカンパニー経由だったので違約金も負担してもらえ、初期費用はゼロ。この40,000円のキャッシュバックは、転職活動中に使った交通費と書籍代の全額に相当した。 SoftBankユーザーならセット割でさらに月額が下がる。
手取りが月4万増えたら、何に使うか
正直に書く。転職後1ヶ月は、ただ「使ってしまった」。
でも貯金24万という数字は、派遣3年間でやっと積み上げた額だった。毎月手取り22万、家賃7万2千円、交通費、光熱費、スーパーの半額弁当。節約し尽くして毎月7,000円しか貯められなかった。
手取り26万4千円になった今、毎月3〜4万を投資に回せる計算だ。新NISAを始めようと思い、SBI証券・楽天証券のNISA比較(2026年)を調べた。 SBI証券は三井住友カードとのポイント連携、楽天証券は楽天カードのポイント還元がそれぞれ強みという構図は2026年も変わっていない。つみたて投資枠の商品ラインナップと使いやすさはほぼ互角で、どちらも選択肢として現実的だ。
ただ、ぼくが先に口座を開いたのはDMM株だった。理由は単純で、口座開設と1回の取引で最大10,000円相当のキャッシュバックがあるから。(2026年4月時点の公式情報による)投資元本に1万円が上乗せされるのは、資金が少ない転職直後には無視できない差だ。米国株・日本株の両方に対応しており、UIがシンプルで迷わない。SBI証券や楽天証券に移行する前の「投資の入口」として、今の段階ではDMM株が最も合理的な選択だと感じている。
読者の声:CFDや差金決済は、投資初心者には早すぎる?
回答:NISAのつみたてから始めて、CFDは後回しで構わない。ただし選択肢として知っておく価値はある。
DMM CFDは全銘柄の取引手数料が0円で、金・原油・株価指数など幅広い商品に少額からアクセスできる。「株式だけでなくコモディティや指数も見てみたい」という段階になったら検討する価値は十分にある。入金で14,200円の報酬がつく点も、初期コストの観点からはメリットだ。ただし、レバレッジを使った差金決済取引は元本割れリスクを伴う。投資経験がゼロの状態では、まずNISAのつみたてで慣れることを優先してほしい。
38歳の3月末から、8ヶ月後
エージェントを使い始めた4月1日、通帳残高は24万3,580円だった。
転職が決まって、ソフトバンク光に乗り換えて、DMM株で口座を開いた。今の貯金は32万を超えた。派遣3年間で積み上げた24万より、転職後8ヶ月で8万以上増えた。
エンジニア転職エージェントを使うなら、今がベストタイミングだ。 38歳という数字を自分で不利と思い込む前に、エージェントに「現実的な選択肢」を出してもらうこと。5分の無料登録で、あなたのスキルセットに合った非公開求人が何件あるかを確認するだけでいい。
転職して収入が上がったら、次は固定費を削る。ソフトバンク光なら最大40,000円キャッシュバックと工事費実質無料で、乗り換えのハードルは低い。 そして余剰資金ができたら、DMM株の口座開設と1回の取引で最大10,000円をもらいながら投資をスタートする。 SBI証券か楽天証券かを迷い続けるより、まず動いた方が8ヶ月後の通帳が変わる。
ソフトバンク光:最大40,000円キャッシュバック・工事費実質無料(2026年4月時点)
DMM株:口座開設+1取引で最大10,000円相当(2026年4月時点)
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